某秘境にて行われた美味いもの食い倒れ会後の歌詞勉強会。
……いや、なんのことはない。ジョイフルでダベっている間にそういう話題で盛り上がったのです。

遊牧家族さんも私もいわゆる音楽が歌詞に先行するタイプ、そしてどちらも歌詞が苦手。
二人が共感したのは「歌詞は反省文を書くのに似ている」という言葉。
曲を書く人間は歌詞の配置等にも有利なはず、しかし歌詞をかけないのは何故なのか。

歌詞書き初心者の二人が、そんな感じで歌詞について色々話してました。
そんなことの議事録といいますか、メモといいますか。
たまには日記みたいな使い方をしてみようかと。


■歌詞を書く基礎ってなんだろう?という問い
よくある手法として、テーマを決めてそれに付随するワードをたくさん書き出す。
文字数を決めて合うワードを探す。

これらは基礎として広く知られている手法なのですが、果たしてコレは本当に基礎なのか。
もしかしてこれは基礎ではなく、ここにたどり着くまでにやるべきことがあるのでは?
歌詞書きの人はその段階を「当然のこと」としてクリアしているのでは?

そんな疑問が話している間に発生し、この疑問を解決する方向に議論が向かいました。


■歌詞をどういう順序で作ればよいのか
例えば私で言えば、「おはようじょ」や「ナビゲーションガール」といった曲は比較的歌詞に迷いがなく書けた作品になります。
では、それらが簡単に書けた理由はというと、書きたいテーマが強かったというのが理由のようです。

ナビゲーションガールを例にとり説明すると


・仕様(あみたろさんの声素材が使いたい、これでなんとか曲を書きたい)
歌詞を作る根源的な理由。テーマ。

 ↓

・設計・意味(ナビっぽい声素材に合う歌詞にしよう。ナビと運転手のかけあいにしよう。)
歌詞の理由からより具体的な部分に落としこむ。キーワードもこの時点で出てくる。
「信じてついてきてね!」「助けてよ、お星様(GPS)!」
仕様の部分が憲法なら、法律にあたる。

・設計・形式(リツとのデュエット。セリフを挟む。曲の構成等。)
楽曲との兼ね合い、文字数、韻律など。
歌詞の外形を決める部分。

 ↓

・実装
実際に作る。ココで語られる手法は様々あるけど、基本的には小手先。


■改めて歌詞を書くために必要な準備とは
さて、ここまで考えたところで、じゃあ歌詞を書くにはどうしたらいいのかということになります。
書けないときにつまずいてしまう時の感覚は、「何を書いたらいいのかわからない」とか「反省文を書いているような」とか、そういった感覚があります。
書けるときには迷いがない。

迷いなく進むためのパワーというのはどこにあるかというと、どうやら仕様→設計の段階でどれだけ強いベクトルを出せるか、ということにかかっているようです。
どれだけそのテーマを実現したいか。

たとえばナビゲーションガールはどうしてもあみたろさんの声素材を使いたかった。
そこに、絵を担当してくださったsinさんによる「リツを使え」プレッシャーが働いたり、あみたろさんの声素材の中でもナビを想起させる声、車でお出かけというテーマが自分の創作トリガーを引いて、曲想を爆発させたわけです。
この時点で設計までは完了。あとは実際に言葉に落としこむだけです。
此処から先は経験と語彙と小手先のテクニックがモノを言う段階。

つまり、そこまで持っていくエネルギーがないと、目的が「曲を完成させる」となり、小手先が通用せず反省文と化するのです。
曲で書き切ったことをあらためて言葉で説明せねばならない。苦痛な作業です。
これだけはナシでいきたいものです。

ちなみに遊牧さんは百合をテーマにすると書きやすい。
潮見はおはようじょやパキパキさん等のネタをテーマにすると書きやすい。
ふたりとも書きたい歌詞への欲望のベクトルが、なんというかロクでもないです(´・ω・`)


■歌詞を書く時、依頼する時。
曲を作る自分が歌詞を書くときは、どういう風にしたらやりやすいのかと考えます。
曲先でも、2つの設計までは曲を作る段階で終わらせておくべきじゃないか、と遊牧さんと意見が一致。

では、歌詞を他の人に依頼するとき。
これも、曲の完成時にある程度の設計まで作れていれば、だいぶ書きやすいだろうね、というところが推察されます。
しかし共同作業となれば、別の方法をとることも可能でしょう。
つまり、音に影響するように先に仕様・設計(キーワード等)を歌詞書き側から出してもらう、ということです。
ここは共同作業ならではの部分になるんじゃないでしょうか。


■ということで結論
書きたいものをおもいっきり書こう
曲の完成時までに「歌ものとしての設計方針」を定めておこう

今まで正体がよくわからなかった「歌詞が書けない理由」がなんとなく見えてきたので、これで少しは歌詞について怖がらずに考えられるようになればいいなあ、なんて思っています。
他にも色々小手先な感じの話はしましたが、もしかしたら後日書くかも書かないかも。
そんなわけで遊牧さんありがとうございましたヾ(・ω・ )ノたのしかった!